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宴の毎日、鬱の日々

イラスト描いたり日記書いたりしたいなーって思ってます。 気付けばコンコレの事ばかり。

カテゴリー「小説」の記事一覧
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とある野良狐の話

俺は死ななかった。
否、死ねなかった。
別に死にたかったわけじゃない。
ただ、どんなに傷ついても、弱っても、寸でのところでまた息を吹き返す。
身体が老いて朽ち果てても、ズタズタに引き裂かれても、一日あれば事足りた。
昔の友人曰く、「不死の病」だそうだ。
細胞の遺伝もあるのかもしれない。

俺はこの病が怖かった。
周りが死んでいくのを横目に、生きるのが怖かった。
恨めしそうに見つめられ、一週間は肩が重かった。

俺は自分が大嫌いだ。
この病も、この身体も。

何より、誰も愛せない、愛するのが怖いという臆病なところが一番嫌いだ。
俺は何より、独りでいる事を望んでいた。

 ◆

私は前世を覚えている。
うすぼんやりと、まるで蛍の光の様に。
前世は美しい白鳥だった。
白い翼を、身体を、森の中の湖に浮かべて泳ぐのが好きだった。
そこで好きな人――地球の『人間』という種族の一人――もできた。
おどおどとしていたけれど、とても優しい人だったのに。
その人に殺された。
彼から与えられたものをひたすら体に蓄えた。
愛情を刻み付けるのに必死だった。
その果てに、私は水底へ沈んだ。

それから、私はこの地で生まれ変わった。
白い体毛の白鳥の様な狐。
誰にも媚びず、誰とも群れなかった。
愛した果てに殺されるのが怖かったから。
愛した果てに殺してしまいそうで怖かったから。

私は愛されるのが、愛するのが怖い。
だから。
私は何より、独りでいる事を望んでいた。

 ◆

二人が出会うまで。
それほど時間は掛からない。


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長編の予感……!

黒い雲の渦巻く空。
枯れた大地。
よく分からない何かの鳴き声呻き声。
魔界。
それはまるで人間の心の奥底にある黒さを形容したような場所だった。
「うっひゃー……すっげー景色」
「ようやく着きましたね」
「ああ」
「早くヤローのアジトに行きやしょーぜ!ゆーしゃさま!」
「待て。そう焦らない方が良い。
 此処はもう敵陣。気を引き締めて行った方が良い」
「サーの言うとおりだ。緊張感を持って挑むぞ」
「あいあーい!」
人間。
元来彼らは、その場所には住まわぬ種族であるはずだ。
当たり前である。
彼らは人界からの使者。
否、魔王討伐のために派遣された勇者一行である。
僧侶のココ、格闘家のヒュージ、魔術師のサー。そして、勇者のアリー。
4人は数多くの戦闘を経てきた。
時に血を流し、涙を流し、笑みを零し合い、ここまで来たのだ。
最終決戦。
今回はそう名付けて良いだろう。

魔界到着から数時間後。
城へ潜入した勇者一行は、魔王の間の扉の前で最後の会議を行った。
「『ヒールレイン』!」
ココの回復魔法により、徐々に体が癒えていった。
あれだけ買いこんだ薬ももう残り少ない。
「いいか。此処まで来たんだ。もう後戻りはできない。
 逃げてもまた別の魔物にぶち殺されるのがオチだ。
 全力で、それこそ死ぬ気で戦うんだ」
丸くなり、出来るだけ小さな声で作戦を伝えた。
「……以上が、今回の作戦だ。
 皆、行くぞ!」

「「「「オオッ!」」」」



魔王の間の扉を開ける。
側近であろう魔物が左右に一人ずつ。
その中央には禍々しい玉座。
その上に座る、魔王。
「よく来たな。虫けらども」
「来てやったぞ。最低野郎」
腰に差した剣を抜き、魔王の方へ向ける。
「我が名はアリー・ラエル!第68代勇者として、貴様を殺す!」
「ほう……」
左右の側近が咄嗟に身構えたが、魔王の静止を受け、すぐに構えを止めた。
魔王は玉座から立ち上がり、一歩前へ歩いた。
「面白い。久しぶりに楽しめそうだ」
一歩、また一歩、アリーに近づく。
それでもまだ剣は、魔王の頭へと向いたままだった。
剣が頭に触れる直前の位置で魔王が立ち止った。
「我が名はマオディナーク・ルオ=ホーレーブルック。第75代魔王として、貴様を……殺す」
「……やれるもんなら」
剣が降ろされる。
と同時に、アリーが魔王に飛びかかった。
「やってみやがれ!!」

最終決戦。開始。

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・・・後半

  

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